貿易摩擦

⚪貿易について100%自由という国は殆んど無いと思う。どの国も貨物の輸入には関税を課したり、何らかの規制を行っている。また貨物の種類に応じて特別な規制が行われることもある。
⚪その関税だが、各国が勝手気ままにその率を決めているのではなく、WTO(世界貿易機関)での多国間交渉の結果決まっているのである。勿論各国はそれぞれ事情が異なるので、関税率も国ごとに異なっている。この関税率はWTO加盟国に対して一律に適用される。これが原則である。
⚪だから、日本が牛肉の輸入に対して38%の関税を課していることは国内的にはともかく、国際的には決して不当な事ではないのである。アメリカは自動車の輸入に対して数パーセントの関税を課しているそうだが、日本は随分以前から課していない。
⚪もしアメリカが自動車の輸入によって自国の自動車産業が深刻な打撃を受けているというのなら、自動車の関税を引き上げればよいのだけの話である。それが何故か貿易摩擦という話になってしまう。アメリカの自動車は魅力がない、アメリカの牛肉は不味い、アメリカのコメは二級品だ。分からないのかなあ。