⚪都には「と」という音読みと「みやこ」という訓読みがある。とを広辞苑で引くと、(1)みやこ、(2)普通地方公共団体の一。現在は東京都だけ。とある。ではみやこはどうかというと、(1)帝王の宮殿のある所。みさと。京。(2)古く、天皇が一時仮に居所とした行宮をもいう。(3)首府。首都。(4)人口が密集し、政治・経済・文化などの中心地となる繁華な所。都邑。都会。とある。
⚪これだから議論は紛糾する訳だ。かつて大阪府の知事になった橋下徹大阪府を東京都のような形に改め、名称も大阪都としたいと言い出した時、東京都の知事だった石原慎太郎が「都」は首都にしか使えない名称だと言って反対した。
広辞苑の「と」の説明の(2)からは橋下は間違っていないように思えるが、「みやこ」の説明の(1)、(3)からは石原が正しいように思える。
⚪だが、東京都は長らく東京府だった。ずっと府でもよかった訳である。けれども東京大改革に際して、この際名称も帝都であることを示すためにと都に改めた可能性も否定できない。ただ、自分が思うのは、東京都をそうして特別視する必要性は無いし、また大阪府大阪都に改めても人心一新とは行かないだろうということである。あんまり人心を惑わすような事は止めて欲しいものである。