鉄砲

⚪鉄砲は1543年、種子島に漂着したポルトガル船によって我が国にもたらされた。そのことは小学校で教わるので誰でも知っていると思うが、鉄砲だけでは役に立たない。火薬が必要である。
⚪火薬と言えば、1274年の文永の役に際して蒙古軍がこれを用いたとされる。それは「てつはう(てっぽう)」と呼ばれ、大いに注目された筈なのだが、何故かその後二百数十年の間、調査・研究されなかったらしい。
⚪ところで、当時の火薬と言えば黒色火薬である。黒色火薬の原料は、木炭、硫黄、硝石である。木炭も硫黄も我が国では簡単に入手できるが、硝石は我が国には産出しない。では蒙古には産出するのだろうか。
⚪蒙古と言えば草原と馬。枯れ草に馬の尿がかかってそれを馬が踏んづけて、それが土と混ざって土中のバクテリアの働きで硝酸カリウム、つまり硝石が出来る。そう考えると火薬が蒙古で発明された事に納得がいく。だが蒙古に硫黄は産出するのだろうか。ただ硫黄は必須とは言えない。