歴史その二

⚪歴史に法則はあるかと言えば、そのようなものは無いと言わざるを得ない。何故なら社会は発展しており、全く同じ事は二度と起こらないからである。
⚪けれども確かな事が一つある。それは栄えたものは必ず滅びるということである。例えば、中国では古代から近代まで幾つもの王朝が現れては消えていった。
⚪それは我が国でも同じである。我が国では大和朝廷が興って以来一貫してその支配体制が続いてきたが、実質的な支配体制はやはり交代を繰り返している。
⚪では何故栄枯盛衰が繰り返されてきたのか。もしそこに貫かれているものがあればそれを法則と言ってよいのだろうが、どうもそれがはっきりしない。もし鎌倉幕府室町幕府江戸幕府の消滅の原因が同じであればそこに法則を見出だす事ができる訳だがそのようなものがあるとは思えない。アルキメデスの原理とか、ケプラーの法則というのはあっても、司馬遷の原理とか、ヘロドトスの法則というのはない由縁である。