米朝首脳会談のこと

⚪12日、史上初の米朝首脳会談シンガポールで行われた。この会談で注目されたのは北朝鮮が非核化の実現について具体的な行動を約束するかだった。アメリカはかねてより北朝鮮に対して非核化を強く求めてきたが、北朝鮮は核実験やミサイルの発射実験を繰り返し、米朝関係は極度に緊張が高まっていた。
⚪そのような中、米朝首脳会談が実現し当面戦争の危機が回避されたことは周辺国にとっても世界にとっても歓迎すべき事なのかも知れない。だが問題はまだ解決された訳ではない。北朝鮮は非核化を明言している。これに対してアメリカは北朝鮮の体制保障を明言している。そして朝鮮戦争の休戦協定から和平協定への転換も話し合われているようだ。
⚪しかし北朝鮮は非核化を明言してはいるものの、具体的な行動まで約束した訳ではない。そのため今回の会談の成果を疑問視する声も聞かれるところである。だがより大きな問題はアメリカが北朝鮮敵視政策を改めた訳ではない所にあると思う。
アメリカは北朝鮮を国家として承認していない。その事は米朝間の約束がかなり不確かなものである事を意味すると思う。国家間の約束でも破棄される事はあるが、北朝鮮は国家でさえない。それどころかアメリカは北朝鮮をならず者と言っている。今回の米朝首脳会談では北朝鮮を国家として承認するという話は出ていないようだ。アメリカは心変わりする余地を残しているのだと思う。