名ばかりその三

⚪政党とは政治に大きな変革をもたらす事を目的とするものでなければならない。そうでなければそれは派閥に過ぎない。例えば自由民主党であるが、自由も民主もかつては変革のスローガンであったが、今日ではそうではない。
⚪自由も民主も今日では政治における基本的な考え方であって、これをあからさまに否定する政治勢力は存在しない。共産党は元々は社会主義社会の実現を目的として掲げていたが、今日では社会主義の事は言わなくなったし、「自由と民主主義の宣言」というものを発表しているので自由民主党と名乗ってもよいくらいのものである。
⚪かくして日本の全ての政党は名ばかりといってよいのだが、面白いことに、というより当然ながら憲法には政党についての規定が無い。国会内では政党ではなく会派である。憲法は定まった政治体制の規定なので、これを大きく変革する事を目的とする政党についての規定が無いのは当然なのである。
⚪しかし日本の政治は政党政治と言われるように国民は脇に追いやられている。日本の政治は派閥のボスが牛耳っている。国会議員は国民の代表である筈なのだが、実態は派閥のボスの子分に過ぎない。議案への賛否も自身では決められない。国民の代表というのも名ばかりなのである。