大阪都のこと

大阪都を提唱したのは大阪府知事だった橋下徹だが、何故そのような事を考えついたのか、よく分からない。もちろん二重行政の解消とそれによるコスト削減が目的だとは言っていた。ちょっと聞けば尤もらしく聞こえるかもしれないが、我が国の行政機関は国、都道府県、市町村の三重構造になっている。大阪市を無くしても新たに特別区が出来るのでこの三重構造は変わらない。
⚪だが考えてみれば橋下は絶えず自らが注目の的になるように行動してきた。その最たるものが大阪都だった。道州制をとも言っていた。オスプレイ関空に持ってくればいいとも八尾空港に持ってくればいいとも言っていた。大阪十大名物とかいうのもあった。
⚪注目される事だけが目的だから、何れも深くは考えられていない。その結果府庁移転は大失敗だったし、他の多くは実現していない。大阪都住民投票で一度否決されたが、吉村市長はまだやる気らしい。大阪都のメリットについてはこれまでさんざん論じられてきたが、説得力はなかった。橋下に勢いがあったからあそこまで賛成票が入ったのだろう。
⚪吉村市長は地味な男である。橋下と違って舌先三寸で黒を白と言いくるめるような芸当は出来そうもない。吉村は内心大阪都はもうやりたくないのではとも思う。幸いと言うか、大阪万博の開催が決まったので人々の関心はそちらに移っているだろう。