バカの壁

⚪ついこの前テレビで解剖学者の養老孟司氏へのインタビューをやっていた。養老孟司氏と言えば以前「バカの壁」という本が話題になったが、自分はその本を読んでいないので、中身については知らない。
⚪だがアメリカのトランプ大統領が文字通り「バカの壁」を作ろうとしている。トランプは選挙戦の時から米墨国境に壁を作ることを主張していて、しかもその費用をメキシコに払わせるというとんでもないものだった。そのトランプが大統領になって二年が経つがまだその公約は実行されていない。
⚪単に実行されていないのではなく、揉めに揉めていて、予算が成立しないので政府機関の閉鎖まで起こっている。トランプ大統領としては退くに退けないのだろう。強固な壁を作れば不法入国は防げるかも知れないが問題は費用対効果である。
⚪また不法入国者がやって来るのは隣国が貧しいからだから、隣国が豊かになれば不法入国は減るはずだ。ところがトランプは自国第一主義を掲げてアメリカ企業がメキシコに工場を作らないようにしている。これは逆効果だ。だから「壁」という話になるのだろうが、こうしたやり方だとアメリカも貧しくなりそうな気がする。やはり「バカの壁」と言わざるを得ない。