資本主義と社会主義

⚪経済活動が個々人の自由な活動として行われるのが資本主義、社会的に行われるのが社会主義であると言ってよいと思う。資本主義社会では自由競争の結果社会は一握りの資本家と賃金労働者という階級に別れる。しかしマルクスはこの資本主義のメカニズムを研究し、資本主義社会は必然的に階級の無い社会主義社会へ移行すると考えた。そして社会主義社会に於いては国家は無くなると考えたのである。このマルクスの思想からロシア革命が起こり、社会主義社会が産まれるのだが、国家は無くならなかった。
⚪資本主義社会では国家は基本的に経済活動に介入しない。所謂夜警国家でよい。ところが社会主義社会では国家が経済活動の主体になる。国家は肥大化し、強権的になる。それがソ連だった。そのソ連が崩壊し、中国、ベトナムも経済の自由化を進めた結果、現在完全な社会主義国家は無いと言ってよい。
⚪ではマルクスは間違っていたのか。それは何とも言えない。ただ言える事はソ連や中国の社会主義というものはマルクスが考えた社会主義とは関係がないという事である。国家社会主義と言ってよいかも知れない。
国家社会主義と言えばナチスだが、ナチス社会主義的施策を行ったかどうかは分からない。だが経済活動への国家の関与は資本主義国家に於いても行われている。むしろ強まっているのではないか。例えば、電力自由化などは単なる自由化ではない。明らかに国家による介入である。他にも色々ある。国家資本主義と言えるかも知れない。