バカの壁その五

万里の長城は外敵の侵入を防ぐために築かれた筈だが、実際には蒙古族満州族が侵入して各々その王朝を打ち立てた。長城の建設はその目的に反して国を滅ぼす原因になったとも言えそうである。
⚪その長城だが、同様の巨大プロジェクトが今日の日本でも見られるように思われる。国中に張り巡らされた高速道路網はあの万里の長城を連想させないだろうか。勿論道路には必要性があるだろうが、その必要性を超えて建設されているような気がする。
⚪道路だけではない。空港や港湾にも同じような事が言えそうだ。建設自体が目的ではないかと思われるこれらの建設物はこれまで批判の的になることもあった。巨費を投じて建設されたこれらの施設が殆ど利用されていない現状を見た事もある。万里の長城も建設自体が目的になっていたのかも知れない。
⚪だが何故か最近そのような批判が聞かれない。兵器がそれにとって代わったのだ。兵器には安全保障という大義名分があるので批判できない。過剰な兵器をもて余しつつ国力の衰退が進行していくのだろうか。万里の長城の現代版のような気がする。