道徳その二

⚪道徳は他の教科とは違って言い切る事ができない。例えば一般的にはウソをつく事は良くないこととされているが、場合によっては本当の事を告げることができない。昔は医師は患者がガンを患っていると分かっても本人には本当の事を告げなかった。
⚪親が盗みを働いたと知った子はそれを警察に告げるべきかどうか。孔子は子は親の為に隠すのが妥当な行動だと言っている。平重盛は父に謀叛の意志が有ることを知って「忠ならんとすれば孝ならず、孝ならんとすれば忠ならず。」と苦しんだことになっている。
⚪然し学校教育ではアンケートと違ってどちらとも言えないで済ます訳には行かない。例えば同級生に嫌な奴がいて学校に行きたくない時に、頭が痛いからと言って学校を休むのはアリかナシかとなればアリと教える訳にはいかないと思う。
⚪また、学校では教師がこうすべきと教えたとしてもそれが余りにも現実から乖離していたら生徒は学校教育を信用しなくなると思う。首相がズルをやっているのがバレバレでもそれが一向に正されないようでは道徳教育なんぞ意味をなさないと思う。