衆院解散について

衆院で内閣不信任の決議がなされた場合、内閣は衆院を解散させ総選挙が行われることになる。もっとも内閣不信任の決議がなされることは滅多にない。ところが内閣不信任の決議がなされなくても内閣は何時でも衆院を解散させることができるとされている。
⚪しかし国会は国権の最高機関であって、内閣はその首班である内閣総理大臣を国会が指名するのであるから、上下関係で言えば国会が上で内閣は下なのである。よって内閣が衆院を解散させるというのは理に合わない。内閣不信任の決議がなされたなら再度首班指名を行うのが筋である。
⚪それでも衆院で内閣不信任の決議がなされた場合なら国民に信を問うという大義があるとの理屈が成り立つかも知れないが、衆院解散が天皇の国事行為であり、内閣は何時でもその助言と承認を行えるというのは如何にも強引な論法である。
⚪旧憲法には天皇衆院の解散を命ずるとの規定があったが、それがそのまま新憲法に受け継がれたのだろうか。だが天皇の国事行為として定められているものは何れも何らかの前提のもとに行うべきものである。衆院解散については内閣はフリーハンドであるとは思えない。