人工知能

⚪コンピュータは嘗ては電子計算機と呼ばれていた。確かに計算機でしかなかったのだが、これに電子頭脳という名前を奉った人がいた。だが当時コンピュータは計算能力だけはずば抜けて高かったものの他には何も出来なかった。
⚪それでかどうかは知らないが、電子頭脳という呼び名は定着しなかった。けれどもその後どんどん賢くなって字も読めるようになったし、英文の翻訳も出来るようになった。そればかりでなく、自分で学習する事まで出来るようになった。こうなれば電子頭脳という呼び名に恥じることはない。
⚪それで今度は人工知能という名前を奉った。何しろ将棋のトッププロを負かした、医師よりも的確な診断を下した等並みの人間を遥かに超えている。最早人間の出る幕は無さそうだ。
⚪だが今一つ気になる事がある。人工知能が人の手を離れて自立する日なんて来るのだろうか。それがあり得るかのような議論がなされているようだが。然し自分にはもう一つの心配の方が現実的に思える。とんでもない野心家が人工知能を駆使して国民の自由を悉く奪ってしまうような事が起こらないかということである。