ロン・ヤス

⚪昔、中曽根首相が訪米しレーガン大統領と会談したが、中曽根はこの際二人はお互いにロン・ヤスと呼びあう仲になったと自慢した。そしてマスコミもこれを大きく取り上げた。それ以後首脳外交ではお互いにファーストネームで呼びあうようでなければいけないというのが常識のようになってしまった。
⚪だが、果たしてこれを信じて良いのだろうか。いや、中曽根を疑っているのではない。確かにレーガンはそういうフレンドリーな人だったのだろう。何故ならレーガンはフランスのミッテラン大統領宛の手紙にもディア フランソワと書いていたらしいからだ。けれどもミッテランはそれにはお冠だったそうだ。
⚪それまで外交文書とは恐ろしく御大層なものだった。レーガンはそれをぶち壊してしまったのだろうか。だが、国と国との関係は甘くない。ソ連ゴルバチョフ書記長は西側から改革の旗手と持て囃されて浮かれていたために足元をすくわれてしまった。
⚪今日、各国首脳はファーストネームで呼びあっているのだろうか。もちろん友好国同士という前提だが。英米なんかはどうなんだろう。何故かそのような事は話題にならない。ロン・ヤスはすっかり有名になったが、その後はあまり聞かない。ウラジーミルは何度も聞いたがドナルドは印象に残っていない。ドン・シンゾウとも聞いたことが無い。