劣化その二

⚪何でも時間が経てば劣化する。ゴムやプラスチックの劣化は早い。凡そ有機質のものは全て劣化する。生命体の場合は劣化とは言わないが老化する。では国家はどうだろう。かつて存在した国家は例外なく消滅している。
⚪日本はまだ歴史が浅いが、中国の場合は最初の王朝とされる秦からでも二千年以上経っていて、その間に十に近い王朝が興亡をくりひろげている。最初の王朝である秦の場合、各地で反乱が起こりその中から項羽劉邦らが秦を滅ぼし最後に劉邦漢王朝を興した。
⚪では、秦は劣化したのだろうか。初代の始皇帝が死んで次の代で滅んだのだから、劣化したのではなく、二代目が鹿を馬と言いくるめられるような馬鹿だったので、国が乱れたらしい。
⚪しかしその後の王朝も興亡を繰り返しているので、これはもう法則と言ってよさそうである。中国に限らない。ローマ帝国もそうである。権力は腐敗すると言われるが、国家は劣化するのだろうか。だとすると、アメリカでトランプが大統領になったりするのもその表れなんだろうか。時を同じくして日本でも、いや世界でも国家が劣化しているように見えるがグローバル化の今日では劣化も世界同時進行するということだろうか。