大臣の資質

ニッサンの元会長カルロス・ゴーンが逃亡先のレバノンで記者会見を開き、日本の人質司法を批判したが、これを受けて森雅子法務大臣が急遽記者会見を開き「潔白というのなら司法の場で無罪を証明すべきだ」と反撃した。
⚪当然これに対してはゴーンの弁護士から推定無罪の原則が指摘され一本取られてしまった。森はツイッターで「無罪を主張」というべきところを言い間違えたと弁明して謝罪したが、これもまたおかしい。「無実を主張」が本当だろう。法務大臣がこれでは日本人の知性が疑われかねない。
⚪また「司法の場で」も変だ。「法廷で」と言うべきではないのか。何だかもう日本語が普通に話せないのではないかという印象を受ける。
⚪かつて法務大臣の仕事は楽なものだと言った新任の法務大臣がいた。「個別の事案についてはお答えを差し控えます」、「法と証拠に基づいて適切にやっております」の二つを覚えておけばよいというのである。森法務大臣もこの後者を言っておけばよかったのかも知れない。