核融合炉

核融合炉なんてとっくに諦めたと思っていたら何とまだ建設が続いているという。もう半世紀、いやそれ以上になると思う。海水中に微量に含まれるトリチウムが「燃料」だから将来的な心配はないという。だがその核融合炉はとてつもなく巨大な装置で大変な金食い虫らしい。
⚪長年夢の原子炉と言われ巨額の投資が行われてきた高速増殖炉もんじゅ」は何度か事故を起こし、ついに廃炉が決まった。だが国はまだ諦めていないという。こちらは使用後のウランからプルトニウムを取り出して再び核燃料として使えるという「旨い話」なのだ。
⚪だが核融合炉にせよ通常の原子炉にせよ放射線による炉体の劣化は避けられない。いずれは解体せねばならない。しかし核融合炉はとてつもなく巨大な装置である。その解体にどれ程の費用が掛かるのか誰にも分からないと思う。
⚪他にも問題はある。海水からトリチウムを取り出すことはそんなに簡単ではないと思う。事故を起こした福島第一原発からは日々大量の放射性汚染水が発生している。問題はその汚染水からトリチウムだけは除去出来ないというのだ。では核融合炉の「燃料」となるトリチウムを海水から取り出すことも現状では出来ないということではないか。まだ問題はある。核融合炉の運転には外部からエネルギーを供給する必要がある。エネルギーの発生量が供給量を上回らなければ何をしているか分からない。それもまだ分からない。「もんじゅ」の二の舞になりそうな気がしてならない。