明智光秀その三

⚪今年のNHK大河ドラマの主人公は明智光秀なので一日のBSプレミアムでは二時間に亘って本能寺の変を取り上げていた。本能寺の変については様々な説があるが、そのそれぞれについて専門家の賛否を問うという趣向だった。
明智光秀は何故謀反を起こしたのかについては近年新たに発見された資料もあり議論は絶えない。だが光秀は信長を討った後いったいどうするつもりだったのだろうと考えると真相が見えてくるのではないかと思う。
⚪実際には光秀は中国攻めから急遽帰還した羽柴秀吉との合戦に敗れ、世にいう三日天下になったのだが、この秀吉のいわゆる中国大返しがなかったとしても、光秀が信長に代わって天下取りに歩を進める事ができたとは思えない。実際光秀は変の後姻戚関係にある細川藤孝に協力を要請しているがあっさり断られている。
⚪信長配下の武将はこの時各方面で敵対勢力と戦っていたが、いずれ彼らが打倒光秀に動く事は確実で、光秀が孤立することは目に見えていた。すなわちこのクーデターに勝算はなかった。では何故ということになるが、たぶん光秀は怒りと絶望から行動に走ったのだと思う。丹波からいまだ敵地である石見への国替え、光秀の工作をぶち壊しての四国攻め、家康接待の不出来をなじられた上急遽秀吉の中国攻めの援軍を命じられたことなどである。