是々非々

⚪是は是とし非は非とするというのは当たり前の事だが、此がわざわざ言われるというのが面白い。かつて民社党という政党があったが、この民社党というのは元は民主社会党だが、その立ち位置は微妙だった。だからどっちつかずの民社党などと揶揄されることもあったが、それを正当化するマジックワードがこの是々非々だった。
⚪ところが最近、と言ってももう三年近くになるが、あの小池百合子が華々しく東京都知に就任したとき、何と共産党都議団が「小池都知事に対しては是々非々で臨む」と表明したのである。これには目を丸くした。
小池百合子は政界渡り鳥と言われる程政党間を渡り歩いているが、思想的には極右といって間違いない。そんな小池が風に乗って舞い上がってしまい、圧倒的な支持を獲得してしまった。この時東京都は築地市場の移転に幾つもの問題が指摘されていて、これを都知事がどう捌くかが注目されていた。
共産党築地市場の移転に反対だったので、移転に慎重な姿勢を示す小池に期待したのかも知れない。また圧倒的な人気を誇る小池に対して対決姿勢をあらわにすればかえって自分が支持を失うというのもあったかも知れない。しかしこの是々非々は何とも情けない。どう見てもすり寄っているとしかみえない。しかも極右にである。