北朝鮮の核・ミサイル

アメリカは北朝鮮に対して核・ミサイルの先行放棄を求めているが、北朝鮮は制裁緩和との平行実施を主張して交渉は行き詰まっているというのが外部から見た米朝対話の現状である。しかし北朝鮮は絶対に核・ミサイルを放棄することはないと考える人が多い。
⚪もしそうだとするといくら交渉を重ねても無駄だということになる。ではアメリカはどう考えているのだろうか。北朝鮮に核・ミサイルを放棄する意志があると考えるのであれば、必ずしも先行放棄に固執する必要は無い筈だし、その意志が無いと考えるのであれば、交渉は武力行使に先立つ儀式でしかない事になる。
⚪だが問題はアメリカが長期的な視点に立たず、この緊張状態を利用する事しか考えていないのではないかとの疑いが濃厚な事だ。例えば現在、日本に配備が進められているイージス・アショアは北朝鮮からグアムやハワイの米軍基地に向けて発射されるミサイルを迎撃することが狙いである。けれども北朝鮮が米軍基地に対してミサイル攻撃を行う可能性は殆ど無い。日本に高額の買い物をさせる事が真の狙いなのだ。
⚪そして二度に亘って行われた米朝首脳会談も一時的に緊張緩和を実現しているものの表面的なものに過ぎない。それでもトランプ大統領は自分が北朝鮮を押さえ込んだのだと宣伝することができる。この件に限らずトランプの言動は全てが再選睨みだと思う。