観光立国

⚪もう大分前のことだが、今は国民民主党前原誠司が観光立国と言うのを聞いて訝しく思った事がある。日本は技術立国じゃなかったのかと思ったのである。しかし今日では安倍首相も観光立国という言葉をよく口にする。
⚪日本は資源小国である。但し水資源、森林資源、水産資源には恵まれている。けれどもエネルギー資源が不足している。鉄鉱石などの鉱物資源もそうだ。豊かな暮らしをしようとすれば、外貨を稼ぐ必要がある。それを可能にするのが技術だった。
⚪明治以降日本は生糸の生産に力を入れてきた。ナイロンが発明されたため生糸は廃れたが、戦後は造船などが中心になった。その後は家電製品、半導体、自動車などが主力となっていった。ところが気が付けばそうした産業は悉く韓国、中国などに主役の座を奪われている。原発の輸出は頓挫しているし、鉄道技術は一日の長があるかも知れないが、価格競争では厳しいだろう。
⚪だから観光という話になるのだろうが、観光で食っていけるのかとなると些か心許ない。いや、食うだけなら何とかなるかも知れないが、それだと大国の夢は諦めなければならない。ちょっぴり寂しいが、仕方がない。だが政治家なんかはどう思っているのだろう。まだ大国の夢を諦めていないように見える。観光では大国の夢は無理だと思うのだが。